敬意について、その1

高校生の頃、物理の先生が、昔のロックをちゃんと聞いてきた人だった。おれは彼のことを好きで、話も合うから、敬意を込めてさん付けで呼んでいた。

 

おれがそう呼ぶたび、彼は、先生と呼びなさい、とおれを嗜めた。

 

人に敬意を表するは、とても難しい。

 

結局、おれはさん付けで通したように記憶している。