星の王子様について、その2

前回は話の途中だった。その1はリンク貼るのだりいから、悪いが読みたいと思ったら適当に探して読んでやってくれ。もちろん、読んでくれなくても構わない。

 

懐くということに思いを巡らせた王子は、生まれ育った星に置いてきた薔薇を想う。

 

その薔薇は、すごくわがままなんだ。虫が来ないようにガラスの覆いを被せてくれと言ってきたりする。世話のかかる薔薇だ。もちろん、王子と薔薇は言葉でコミュニケーションを取ることができる。

 

彼にとっては、それはたった一つの薔薇だった。それはその星に存在する唯一のバラ科(?)の植物だった、という意味でもあるが、それに留まらない。

 

ご存知のように、地球には薔薇はたくさん咲いている。王子はそれを見て驚く。この星にはなんてたくさんの薔薇があるのだろうかと。

 

しかし、懐く、ということについて考えた王子は気付くのだ。あれはおれにとってたった一つの薔薇だったと。そこら中に咲いている花々は、どれもあの薔薇ではなく、おれが想い、時間や手間をかけて世話した薔薇は、あいつ一人だったと。

 

だいたい、そんな話だったと記憶している。まだダンボールを開けられていない。

 

この話は、ある種のニヒリズムをもって捉えることもできる。愛なんて、所詮サンクコストなのか、と。

 

おれはその意見に部分的に同意する。たぶん、そういう風にできてんだよ、我々ヒトというものは。

 

けど、この話に、ある種の希望を見出すこともできる。つまり、他者を愛することができない、と感じている人も、そのような形で(時間や手間をかけることで)、愛することができるかもしれない、という希望だ。

 

まあ、おれはそんな風に読んだけど、お前はあれをどう読んだ?

 

サン=テグジュペリは他にもアホみたいにいい本を書いてるから、また今度話す。