星の王子様について、その3

友達が、本当に大切なことは目に見えない、ということについてのおれとは違う解釈を教えてくれた。あれは、星の王子様においてたいへん重要な主張であると理解してるので、やはりそれについて書いておくべきだ思う。ので、書く。

 

おれは、あれは、物理世界に顕現することのない、心の働きだったりにこそ、本当に大切なことがある、という風に読んだ。

 

我々の認知系は心の働きを観測できないが、そういったところにこそ、大事なことがある、という主張だと理解した。

 

おれは、行動を伴わない思想に意味はないと思っている。行動として表れない思想は、外界から見たときに、思ってないのと区別できない。

 

そう考えているのにもかかわらず、おれは、その一節をとても気に入っていた。それが腑に落ちないでいた。矛盾するように見える二つの主張を、どちらも支持したいような直感を持ったからだ。

 

その友達によると、あの言葉は、「これは弱い人にとっての救いの思想で、あって当然のものへの慈しみであるとともに、ときに残酷なことを示している気がする。目に見えないという比喩は、見落としているぞということだと思う。」ということらしい。

 

つまり、目に見えない、を、視界の外、と取ったのだと思う。確かにそう読めないこともない。認識の外に、まだ見出せていない大切なことがあるかもしれない、というある種の謙虚さを持たずにいると、いつか大事なことを見逃してしまう、という側面があると感じた。

 

グレートギャツビーの冒頭らへんで、キャラウェイが同じようなことを言っていたように思う。

 

まあ、もうちょい考えてみる。

 

お前は、どう読んだ?