星の王子様について、その1

おれは、星の王子様は人生の一面を伝わりやすい形で表している、めちゃくちゃにすごい作品だと思っている。

 

たぶん、お前もわかってるだろうが、改めて星の王子様のどこがやばいか、おれの理解を述べる。

 

おれは特に、キツネと薔薇の話が好きだ。おれの記憶の限りだと、その二つは連続している。

 

確か、キツネと出会い、そいつとの交流の中で、薔薇を想うのだ。

 

キツネは確か、懐く、ということについて話をする。ぼくを懐かせて!というお願いを王子様にするのだ。

 

王子は何のことだかわからない。彼はほとんど何も知らない。懐くってどういうこと?と訊ねる。

 

キツネにも、懐く、ということがどういうことだか明言はできない。とりあえず彼らは明日また会おうという約束をする。

 

次の日、とことこ王子が歩いてキツネに会いに行く。キツネは残念がる。何時に会うか、我々は約束しておくべきだったと。

 

何時に来てくれるか分かっていたら、例えばそれが15時だとしよう、朝起きておれはすでに15時を待ち望んでいる。

 

7時に起きて、15-7を計算する。たぶん、8だ。あと8時間であいつに会える、と思う。もう、わくわくしている。

 

12時になる。昼飯を食べる。また、お前のことを考える。あと、3時間だ。

 

そんな風にして、15時にお前がやってくる。

 

そんな時間の大切さを、キツネは言っている。少なくともおれはそう理解している。いまは引っ越したばかりで星の王子様がダンボールからなかなか出てこないので、記憶の限りの話になってしまった。

 

けど、たとえ原典がそういう話をしていなかったとしたって、おれはそう理解している。

 

あなたもおれを懐かせてくれたら嬉しい。

 

恥ずかしくなってきたから終わる。薔薇の話はまた今度。