おれのキャリア、その4
なんだかずいぶん迷走してしまったが、もともとキャリアを振り返るためのものなのであった。
以下注意書きは再掲
言わないでもわかると思うが、おれの視点による、その当時感じたこと、及び今考えることを書くので、所属した組織を代表するものではもちろんないし、これから述べることがその特定の企業群を適切に表現しているとは思わないでほしい。迷惑かけたらごめん、その時はこっそり教えてください。善処します。
前回まで
- 受託開発の会社でモバイルアプリ屋を始めた
- 技術的な素養がほぼなかったので、研修やってもらってハッピーだった
- なかなか案件にアサインされず、一人でなんだかんだを作り散らかしていた
ようやくアサインされた案件は、VOD アプリの新規開発だった。おれは、Android エンジニアとして参画した。もう一人、2-3年先輩の方がリードとして一緒に開発した。基本的な設計は彼にやってもらったが、主に手を動かしたのはおれだったと思う。VOD アプリのコア機能と言えるであろう動画の視聴画面などは、おれが実装した。
とは言っても、動画の再生にあたり OS の機能を直接触ることはなく、ライセンスなどのやりとりのためのあーだこーだをラップしてくれているサービスを使った。つまり、大した実装はしていない。権利関係をちゃんと遵守した上での動画ストリーミングって、めちゃくちゃ大変だと思われるが、その辺りを全くおれは頑張っていない、ということだ。
ふと思い出したのは、なんかの暗号化を施した鍵をサーバとやりとりしていたのだが、その復号がうまくいかずにしばらく悩んでいたところ、サーバの実装を見に行ったら、仕様と違う方式で暗号化されていたのを見つけたことがあった。モバイルエンジニアでもサーバサイドの開発を知っているといいことがあるなと思った出来事の一つだ。
リリースの直後か直前だったか、リードしてくれていた先輩エンジニアが退職の運びとなり、おれ一人で開発を行なった。どうやらおれは一人になりがちらしい。
VOD アプリなのに、なぜか漫画のビューワも提供することになり、実装した。漫画は右から左へスクロールしていくので、英語圏で作られた OS の機能ではママ表現できず、あーだこーだした。一応、画面回転にも対応するから、縦から横(横の時は、2ページを見開きにする)の時の挙動などがややこしかった。
リリースからしばらくすると、不具合報告がクライアントやユーザから為されるわけだが、どういう訳かそのほとんどが iOS 側のもので、Android のバグは少なかった(ほとんど皆無と言って良いほどだったと記憶している)。ユーザ自体が少なかったのかもしれない。リードしてくれたエンジニアの方の設計が良かったのかもしれない。あるいは、おれがうまく作れたのかもしれない。
2回目の大規模リリースが終わった頃に、入社から1年が経ち、給与改訂があった。クソみたいな上げ幅だった。
おれはたった一人で Android アプリの実装を行い、かつバグも少ない。iOS は3人で開発されていた。
そう考えると、おれが3人分の給与をもらったっておかしくない。流石にそれまでは求めないが、どうしたっておかしいと、おれは思った。
だから、辞めた。転職することにした。
長くなってきたので終わる。